Classics

古いものが好き? 古典について

いろんな人から「古いものが好きなのか?」と聞かれる。僕は文化的には保守的なので、そういう一面もあるのかもしれない。

高校時代は音楽をやっていたのだが、みんなが最新のヒット・チャートを聞く中、僕だけRobert JohnsonやBuddy Guy、Jimi Hendrix、Eric Claptonを好んで聞いていた。バンドだとLed ZeppelinやRolling Stonesが好きでした。みんながNIRVANAを聞く中、一人だけそんなことをやっていたからだいぶ変わり者として見られていたのだろうと思う。ちなみにNIRVANAはあまり好きではない(ファンのかたごめんなさい)

大学時代はさらに「古い」ものが好きになって、クラシック音楽の名作や名指揮者の演奏。伝説的なオペラ演奏を聴き続けた。今はギリシアや中東の音楽にハマっている。

個人的には、古いから好きなのではなく、「いいものだから」好きなのである。それ以上でもそれ以下でもない。シェーンベルクの12音階作曲法で作られた楽曲も好きだし、シュトックハウゼンの「グルッペン」もサントリーホールまで聞きに行った。絵画に関しては極めて現代的な抽象絵画も大好きだし、映画は最新作をよく見ている。今でこそ見に行く機会が減ったが、学生時代の一時期は、オペラもバレエもコンテンポラリーダンスも最新演出のものを聞きに行っていた。

最新の機器だって好きだし、ソフトウェアはセキュリティの観点からも最新版にアップデートするし、サービスもすぐ利用する。iPad miniもAppleWatchも欲しいなーとは思うし、Kindleは便利で手放せない。専門分野の最新の研究結果は徹夜してでも読んでしまうし、最新理論が持つ魅力というのはなかなかに抗いがたいものだ。

その一方で、古典的な積み重ねの上に現代の理論というのはあるわけで、基礎がなければ、応用は難しい。バッハ、モーツアルト、ベートヴェンの音楽は素晴らしいものばかりだし、映画におけるモノクロ時代の蓄積は驚くべきものだ。プラトンやアリストテレスの思想が我々の時代にどれほどの示唆を与えているか。また、信仰とは全く関係なしに、イエスという人間がどれほどの批判を多くの人々に残したか。アウグスティヌスの思想はキリスト教抜きにしても優れた思想の成果である。

古典も新作も同じように素晴らしいものは素晴らしいし、駄作は駄作である。ただ、古典は時間による篩を乗り越えてきただけあって、名作である確率が高いだけの話である。何がいいか、悪いかというものさしなしに新しい作品を評価することは不可能だし、古典に親しむというのは、そのような審美眼を身に付けるためにあるのだ。

さあ、古典を読もう。新しいものに触れるのは、それからでも遅くはない。

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